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AZのMR解雇訴訟 東京高裁が和解勧告 会社側が申し入れ 3月中にも和解案
アストラゼネカ(AZ)のベテランMRが営業活動の虚偽報告などを理由に懲戒解雇されたのは不当だとして、地位確認と未払い賃金の支払いを求めた訴訟の控訴審が2月6日、東京高裁であり、解雇は無効とした一審判決を不服として控訴したアストラゼネカが和解を申し入れ、東京高裁も和解勧告を行った。勧告を受けてこの日、非公開で労使双方が和解内容を主張。MR側は、MRとしての早期の職場復帰などを改めて求めた。

和解案は3月下旬にも出されるが、双方折り合わなければ、4月以降に高裁判決となる。今回の和解が成立すれば、現在訴訟にまで至っている同社ベテランMR3人が“追い出し部屋”に配置転換されたとする事案、現役MR8人が不当に降格・減給を受けたとする事案にも影響する可能性がある。

■AZ広報部「速やかに解決すべく、様々な選択肢を検討」

AZは2017年10月27日、一審判決を不服として控訴したものの、この日の控訴審第1回期日までに和解を申し入れた。この理由についてAZ広報部は本誌取材に、「係争中の案件の詳細についてはコメントを控えるが、当社は、本件について速やかに解決すべく、様々な選択肢を検討し続けている」とコメント。具体的な理由は明らかにしなかったが、早期解決を目指す構えを見せた。

会社側は一審判決後に会社側代理人に第一芙蓉法律事務所を追加し、主任弁護人を木下潮音氏にした。労使問題のエキスパートとして知られており、AZの労使問題が今回、和解に向けて急展開したのは、木下弁護士の存在が大きそうだ。

木下弁護士は、日本経団連の顧問や、電通の労働環境改革に関する独立監督委員会の委員を務めている。また、銀座クラブでのアルバイト経験を理由に、日本テレビのアナウンス職の内定を取り消されたことを不服として地位確認を求めた訴訟では、木下弁護士は会社側の主任弁護人として会社側上層部に入社を提案・説得した人物といわれている。

地位確認などを求めているベテランMRは、AZの前身のアイ・シー・アイファーマ社に1988年に入社し、MR一筋で勤続27年の山口浩治さん。▽営業活動の虚偽報告▽新薬のTVシンポジウム参加者の虚偽報告▽虚偽内容のメールや必要ないメールの発信行為▽ホテル代などの二重経費精算――の4つの懲戒事由により15年に懲戒解雇された。

一審判決では、二重経費精算を除く3つが懲戒事由にあたるとされた。そして、営業活動の虚偽報告などには「相応の懲戒処分を受けてしかるべき」とされたが、個別の注意や指導の機会もなかったことなどから、懲戒解雇とするには「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認めることができず、懲戒権を濫用したもの」だとして、解雇無効を言い渡していた(一審判決の記事はこちら)。

【おことわり】下線部を修正しました。(2月7日18時)



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