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中医協 18年度診療報酬改定を答申 診療実績を報酬体系で評価 地域包括ケアへの布石
中医協(田辺国昭会長)は2月7日、2018年度診療報酬改定について加藤勝信厚労相に答申した。昨年末の予算編成過程で薬価・材料を1.74%引き下げ、診療報酬本体を0.55%引き上げる方針を決定した。これを踏まえて年明けの中医協は個別改定項目への財源配分の議論を行った。焦点となった入院医療の報酬体系については、今後の人口減少や高齢化の進展など地域の実情を見据え、診療実績に応じて病院経営者自らが病床機能の転換を判断できるよう見直した。一方、外来医療については、地域包括ケアシステムの中核を担う「かかりつけ医」の機能を診療報酬で評価し、地域の急性期病院や訪問看護ステーション、介護施設と連携できる医療提供体制を構築する。さらに医療ICT関係では、「オンライン診療料」、「オンライン医学管理料」を新設し、情報通信機器を活用した診療を評価する。

2018年度診療報酬改定は、2025年に到来する超高齢社会に向け、今後の方向性を決定づける“分水嶺”に位置づけられる。政府は、2025年の医療需要を策定すべく、47都道府県に「地域医療構想」を策定させた。首都圏を除くほぼすべての道府県が人口減少に直面し、その結果、医療需要そのものに大きな変化をもたらすことが明らかになっている。特に入院医療については、急性期病床の需要が減り、空床に伴う病院経営の悪化が予想される。一方で、救急搬送される脳卒中や心筋梗塞などの患者について、処置後の受入れ先となる回復期リハ病床の絶対数が不足している。さらに、在宅と病院の連携を前提とした病床機能の整備を唱える声も高まっていた。今回の診療報酬改定は、まさに病床機能の再編・統合を病院経営者自らが判断し、地域の実情に応じ、必要な機能転換を促す狙いが込められているのだ。

◎急性期一般入院基本料重症患者割合30%−診療実績評価を導入

こうした背景を踏まえ、入院医療は、基本的な医療の評価部分と診療実績に応じた段階的な評価部分の2つの評価を組み合わせた新たな体系に見直した。具体的には、看護配置7対1と10対1が再編・統合された急性期一般入院基本料は入院料1〜7の7段階に区分された。現行の7対1に相当する入院料1については、点数を1591点に据え置いた。ただし、医療看護・必要度を見直し、これに応じた重症患者割合を現行の25%以上から30%以上(DPCデータベースでは25%以上)に基準を引き上げた。平均在院日数は18日以内、在宅復帰・病床機能連携率も8割以上、医師数も入院患者の10/100以上、看護配置も7対1を求めるなど、厳しい要件を定めた。

一方で、新設する入院料2は1561点(重症患者割合:29%以上、DPCデータベース:24%以上)、入院料3は1497点(同:28%以上、23%以上)で、平均在院日数は21日以内とした。そのほか、200床未満の医療機関には経過措置を認めるものの、DPCデータの提出を求めることを要件とした。看護配置も10対1が基本となる。一方で、現行の10対1に該当する入院料4〜7は点数を据え置いた。

なお、それぞれの病院は診療実績に見合う入院料を選択できる。先述したように、入院料1は急性期病院として高めの要件を設定しており、これを満たさない病院は必然的に入院料2〜7を選択する。ただし、現段階で入院料2〜3を選択する病院は、入院料1(7対1)の届出実績が必要なため、入院料4〜7(10対1)から入院料2〜3を直接届け出ることはできない。

◎地域包括ケア病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院基本料

一方、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料については、入院料1〜4に区分される。看護配置は13対1を基本とする。加えて、実績部分の評価(入院料1、3)として、自宅等からの入棟患者割合(1割以上、10床未満は1人以上)、自宅等からの緊急患者の受入れ(3月で3人以上)、在宅医療の提供、地域医療機関との連携、介護サービスの提供、看取りに対する指針の策定などを求めた。この結果、入院料1は2738点、入院料3は2238点となる。

回復期リハビリテーション病棟入院基本料については、新入院料1〜6に区分される。看護配置は15対1を基本に、PT2人、OT1人を配置。実績部分の評価として、リハ病棟のアウトカム評価の実績を入院料1、入院料3、入院料5の点数に上乗せした。このほか、重症者割合は入院料1、2で3割以上、入院料3、4で2割以上。在宅復帰率は入院料1〜4で7割以上とする。

◎かかりつけ医緩やかなゲートキーパー機能を評価

今改定で、病床機能と同レベルで重要視されたのが、「かかりつけ医」の機能評価と言える。主に外来機能を担う、かかりつけ医を軸に、専門医療機関、介護施設、訪問診療、かかりつけ歯科医などとの連携を診療報酬で評価した。いわば、地域における“扇のかなめ”的な役割として、かかりつけ医に緩やかなゲートキーパー機能を持たせることを意味する。

具体的には、かかりつけ医機能をより一層推進する観点から、地域包括診療加算について在宅患者に対する24時間対応等に係る施設基準を緩和した。今改定では、従来の地域包括診療料とは別に「地域包括診療料T」(1560点)と「認知症地域包括診療料1」(1580点)を設けた。施設要件として、現行の算定要件にある常勤医師2名以上の配置を、常勤換算2名以上と改め、常勤医師は1名以上に緩和した。また、診療料1の算定に際しては、「当該医療機関での外来診療を経て訪問診療に移行した患者数が10人以上」という実績評価を導入した。

このほか地域包括診療料等の要件である患者の受診医療機関や処方薬の把握について看護師等が実施可能であることを明確化した。さらに、かかりつけ医と入院医療機関等が連携して行う医薬品の適正使用に係る取組について、「薬剤適正使用連携加算」(30点)として評価する。そのほか、かかりつけ医が、生活習慣病や認知症などで、専門医療機関への受診の要否の判断を初診時に行えるようにするため、「機能強化加算」(80点)を新設する。このほかにも、かかりつけ医とかかりつけ歯科医の間の情報共有を評価するほか、がん患者に対しての治療と仕事の両立のため産業医と情報共有や連携を評価する。

そのほか病院との連携では、入退院支援を評価する。仮に住民が近隣の病院に入院しても、住み慣れた地域で継続して生活できるよう、入院前から関係者との連携を推進するなど、切れ目ない支援を評価する。医療疎開などを防ぐ狙いもある。これに伴い、現行の退院支援加算を「入退院支援加算」に名称を変更する。さらに地域連携診療計画加算の算定対象を拡大するほか、支援の対象となる患者要件を追加した。
さらに、紹介状なしで大病院を受診した患者については、現行の一般病床500床以上の規定を「許可病床400床以上」の地域医療支援病院に見直す。なお特定機能病院はこれまで通り含まれる。

◎医療ICTオンライン診療料・70点、オンライン医学管理料・100点

医療ICTの関係では、情報通信機器を活用した診療について、対面診療の原則の上で、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、診療報酬上の評価を新設する。具体的には、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、オンライン診療料(70点・1月につき)、オンライン医学管理料(100点・1月につき)を新設する。

このほか関係機関間・医療従事者間の効率的な情報共有・連携を促進する観点から、感染防止対策加算や退院時共同指導料等について、連携会議や情報共有等にICTを活用することができるよう、要件を緩和する。







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