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臨床研究法施行規則固まる 社会的・科学的意義のある臨床研究実施へ 研究責任医師の役割明確化
厚生科学審議会・臨床研究部会(楠岡英雄部会長)は2月9日、「臨床研究法施行規則」を固めた。臨床研究法が4月までに施行されることに伴い、2月中に省令公布し、通知などを発出する。製薬企業などの資金を得て行われる場合や未承認・適応外の医薬品についての“特定臨床研究”の責任の所在が、研究責任医師にあることを明確化した。ARB・ディオバンの臨床研究不正に端を発し、製薬企業と医師との不適切な関係が指摘される中で、透明性を担保するとともに、社会的・科学的意義のある質の高い臨床研究を構築する姿を目指す。

◎臨床研究の質・透明性の確保へ臨床研究公表などで

省令では、特定臨床研究について社会的・科学的意義のある臨床研究を、分野に応じた科学的合理性を確保して実施することを基本理念に掲げた。実施に際しては、独立した公正な立場である認定臨床研究審査委員会の審査を受けていることや、臨床研究により得られる利益と対象者などへの負担などの不利益を比較考慮すること、対象者への十分な説明を行うこと、個人情報の適正な管理などを求めた。これにより、臨床研究の質・透明性の確保を目指す。

特定臨床研究では、研究責任医師が、研究計画書や利益相反管理などについて、認定臨床研究審査委員会に提出。指摘を踏まえた実施計画を厚労相に提出する流れとなる。

特に、研究責任医師や実施医療機関の管理者の責任を明確化した。研究責任医師には、研究実施に際して安全性・妥当性を倫理的・科学的観点から十分検討して研究計画書を作成し、省令や研究計画書に基づいた適正な研究の実施を随時確認することを求めた。臨床研究に関連するモニタリングや監査、利益相反管理、情報の公表、実施計画の提出・変更、臨床研究に起因する疾病等の報告、不具合報告・定期報告などについての責任も明確化した。また、臨床研究実施に際し、厚労省が整備するデータベースで、対象疾患や試験の開始日、評価項目、研究費の提供元などを公開。終了・中止した場合に臨床研究の結果を取りまとめた総括報告書を作成し、その概要についてもデータベースを通じて公表することを求めた。

一方、実施医療機関の管理者などには、臨床研究が省令や研究計画書にしたがって適正に実施されていることを随時確認し、適切な実施を確保するための措置を求めている。

これまでは、自社製品などについて企業が提案する形で臨床研究が行われてきた。しかし、こうした構図そのものがディオバン問題などを引き起こしたと指摘する声もある。この日の臨床研究部会でも、パブリックコメントで、企業が提案する臨床研究について位置付ける声があがった。

しかし、厚労省側は、企業発案でも医師発案であっても、「臨床研究は、医行為を前提とした診療行為の上に成り立つものであることから、研究責任医師に責任をもって実施していただく必要があると考えている」としている。臨床研究法自体も、「研究責任医師を主体とした法律構成としている」と説明している。

◎利益相反責任医師が管理基準、管理計画を作成

利益相反(COI)管理についても、研究責任医師や、病院長など実施医療機関の管理者の責任を明確にした。管理については、製薬企業などの資金提供や、利益を得ることが明白な製薬企業からの寄附金、原稿執筆・講演の報酬などの費用などについて、▽研究責任医師が「利益相反管理基準」を作成、▽利益相反管理基準を所属・実施医療機関の長が利益相反管理基準の確認し、さらに必要な助言・勧告を加えた報告書として研究責任医師に提出する、▽研究責任者は報告書に基づき、利益相反管理計画を作成、▽認定臨床研究審査委員会が、利益相反管理基準及び利益相反管理計画を審査―することを求めた。
製薬企業には、▽研究資金等(研究の管理等を行う団体が実施医療機関に提供した研究資金等を含む)、▽寄附金(実施期間終了後2年以内に研究責任医師が所属する機関に提供されたものを含む)、▽原稿執筆・講演報酬―などについて、公表が求められる。研究資金については、研究資金を管理する財団や、臨床研究の支援や受託、複数の実施医療機関の事務を統括管理する団体も含まれる。2018年10月以降に開始する毎事業年度終了後1年以内に公表する。早ければ2019年10月にも公表する企業が現れることとなる。公表期間は、公表後5年間。

今後は、臨床研究審査委員会の指定など詰めの作業を行う。日本医療研究開発機構(AMED)の倫理審査委員会認定制度構築事業に認定されている医療機関などが手上げするとみられており、こうしたIRBがいわゆるセントラルIRBとしての役割を担うこととなる。



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