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バイエル薬品・イグザレルト患者調査問題 内告者の代理人が会見 本社の主導的関与を主張
バイエル薬品が販売するイグザレルトの患者調査で、同社宮崎営業所に所属する50代の男性MRが不適切にカルテを閲覧したと内部告発したことについて代理人弁護士が4月19日に厚労省内で記者会見した。代理人弁護士は、患者調査のデータを用いた論文の作成をバイエル薬品本社が主導したことから、「一人のMR、一か所の営業所の問題ではない。バイエル薬品本社の関与は明らかだ」と主張した。このほか問題となった2論文が、2016年1月に取り下げになったにもかかわらず、「社内に通知されず、なお販売促進資料として使用」していたことに言及した。


この問題は、宮崎県内の診療所1施設における、カルテの不適切な閲覧、さらにはアンケート調査の企画や論文の執筆に当時本社のプロダクトマネージャー(当時、現・メディカル・アフェアーズ本部)の関与が取り沙汰されている。得られたデータは、2012年12月、13年12月の2回にわたり、ライフサイエンス社の「ProgressinMedicine」に2編の論文として掲載された。2016年7月に厚労省にMRが不適切にカルテを閲覧したとの内部告発をきっかけに発覚した。なお、論文は2016年1月に取り下げられている。


この日の会見では、内告者の代理人弁護士から、内告者側からみた時系列での問題発生や課題が説明された。カルテの閲覧が行われたのは、2012年1〜4月と、10〜12月の2回。内部告発を行ったMRのほか、所長2人がカルテを閲覧し、患者の肝機能や腎機能、通院間隔、負担割合などの情報を取得した。得られたデータは、エクセルシートに入力され、バイエル薬品内で管理していた。データは論文執筆に必要はなく、患者背景情報の取得を目的に行われていたと説明した。


内部告発を行ったMRは、カルテの閲覧について所長に「やりたくない」と主張。これに対し、「これは、会社が言っているからおかしなことを指示命令するはずがないので速やかにやるように」というやり取りがあったという。得られたデータを基に論文が執筆、医学誌に掲載され、その後パンフレットなどを通じてプロモーションに活用された。問題を感じたMRが2015年7月に同社のコンプライアンス室に相談したが、退職勧奨を受けていた。


代理人弁護士は、「販売促進の目的でバイエル薬品が作成した論文の信用性には疑義がある」と主張。内部告発後に退職勧奨や論文の取下げを行ったことなど、「会社の対応は極めて悪質だ」と述べた。その上で、バイエル薬品に速やかな調査結果の公表、厚労省には「第三者による精密な調査を実施すべき」と求めた。バイエル薬品のコンプライアンス室の対応については、公益通報者保護法上の義務違反がある可能性も指摘した。


今後について代理人弁護士は、「経過によって、訴訟も検討しないといけないが、内部告発を行ったMRは、なおこの業界でMRとして稼働したいと考えている。仕事に対する誇りもある。会社に対する想いも経験等も重ねてきているので、勤続を希望している」と述べた。


なお、内部告発を行ったMRと、かかわった医師、バイエル薬品との間で、主張が異なる点がある。患者調査において必要な患者の同意については、事前事後の同意がなかったと主張。研究に携わった医師側の代理人弁護士は「口頭で了承を得た」としており、主張は食い違っている。論文の取り下げられた点については、「隠ぺいを画策した」と主張した。バイエル薬品側は「実施主体の明記がなかったから」と説明している。


バイエル薬品は、「これまでにもお伝えしておりますが、弊社は本件を真摯に受け止め、すでに外部の専門家による検証を進めながら、関係当局とも密に相談している。該当社員をはじめ、社内外の関係者の協力を通じ、本件の実態解明に努める」とコメントしている。




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