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厚労省検討会 高齢者適正使用指針を大筋で了承 薬剤師と医師の協働で減薬を
高齢者医薬品適正使用検討会(座長:印南一路・慶應義塾総合政策学部教授)は3月9日、「高齢者の医薬品適正使用の指針」(総論編)案を大筋で了承した。高齢化が進展し、ポリファーマシーが課題となる中で、指針を活用してもらうことで、不必要な薬を減らし、転倒やふらつきなどの副作用を防止する狙いがある。患者の服薬状況の一元管理を行う薬剤師が職能を発揮し、かかりつけ医と協働で、医薬品の適正使用を推進してもらいたい考え。検討会での意見を踏まえた文言修正を経て、3月中にもパブリックコメントをスタート。4月後半以降に次回検討会を開催して指針を固めた後、速やかに都道府県宛に通知を発出する方針。

指針案は2月21日、検討会の下部組織である厚労省の高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ(秋下雅弘主査)で了承されたもの(本誌既報、記事はこちら)。

2018年度診療報酬・介護報酬では一貫して医薬品の適正使用の流れを敷き詰めた。その中核が、かかりつけ医とかかりつけ薬剤師の連携だ。医療機関側の点数としては2016年度に薬剤総合評価調整加算を新設した。18年度改定では調剤報酬点数として、「服用薬剤調整支援料」を新設し、6種類以上の内服薬を処方されている患者について薬剤師からの提案で2種類以上減薬した場合を評価する。介護報酬でも、服薬情報などをサービス提供責任者からケアマネジャー、薬剤師などへの情報提供の流れを省令で義務化した。かかりつけ薬剤師が医療・介護連携の中核として職能を発揮し、減薬の必要性などを処方医に提案する姿を示した。指針も、主たる利用者は、「医師、歯科医師、薬剤師」。処方医自身が指針の内容を理解し、医薬品適正使用に動くことに加え、診療報酬・介護報酬で外堀が埋まる中で、医薬品の安全性を司る薬剤師が処方医に働きかけることで、適正使用への流れを加速させたい考えだ。

検討会の池端幸彦委員(日本慢性期医療協会副会長)はこの日の検討会で主たる使い手を限定した背景について、「処方権を持っている医師が変わらないといけない」と話した。指針でも、「ポリファーマシーを回避するような処方態度を心がけることが大切」とした。「専門医も他領域については非専門医である」と指摘。高齢化に伴って複数の疾患を合併する患者が増加する中で、「薬物療法の適正化には、他の専門医、かかりつけ医および他職種との連携にも理解が必要である」としている。

◎副作用の早期発見にも多職種連携が重要に

処方見直しのタイミングとしては急性期や慢性期の病状だけでなく、退院・転院、介護施設への入所・入居、在宅医療導入、かかりつけ医による診療開始などのタイミングもあげ、継続的な管理を見据えた処方の見直しを求めた。減薬の過程については、「機械的に薬剤を減らすことはかえって罹病疾患を悪化させるという報告もある」と指摘。「日常生活の変化などの情報を踏まえ、薬剤の変更や代替薬について検討を行うことが必要」とした。服用回数の減少や配合剤の導入はコンプライアンス向上には有用であるものの、有害事象を回避するためには薬剤に優先順位をつけるなど再考を求めた。

高齢者に多い症状と似通っており、見過ごされがちな有害事象としては、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁をあげた。有害事象の早期発見でも、多職種連携の重要性を強調している。

指針ではそのほか、高齢者で汎用される薬剤について、一般名・製品名を併記し、基本的な留意点を紹介している。高齢者では特に有害事象が発現しやすく依存を起こす可能性もある、ベンゾジアゼピン系薬剤や三環系抗うつ薬の慎重投与などを求めている。



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