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MSD・ウェストハイゼン社長 デジタル活用で情報活動の最適化進める 多数の適応持つ抗がん剤、MRだけでは限界
MSDのヤニー・ウェストハイゼン社長(左写真)は3月13日、東京都内で記者会見し、ITの発達で医薬品情報の流通スピードが速まり、ニーズや入手手段が多様化していることを挙げ「新しい情報技術をどうビジネスに反映し、最新で(顧客に)最も関連性の高い情報を提供するかを考えなければならない」と述べ、デジタル技術の活用で医療従事者に対する情報活動の最適化を進め、生産性向上につなげる考えを示した。特に、多数の適応を持つことが見込まれるがん免疫療法薬キイトルーダを例に挙げ、全ての領域にMRが精通し、医療従事者に対応するのは限界があるとして、デジタル活用の必要性を強調した。

MSDは、キイトルーダについて約30ものがん腫への適応を予定しているという。同社長は、MRが全てがん腫に対する単剤療法、併用療法についての知識や情報を持つのは難しいとし、医療従事者が必要としている情報を提供するには「今までと違った努力、方法が必要になる」と説明。また、学術的な情報も日々更新され、発信される中では「(MRが面会する)トラディショナルなやり方だけを続けていては、MRが顧客のところへ行くころには、当該情報を知っていることもありうる。そのような時代の中で、いかに(顧客と)関連性の高い情報を提供しつづけられるかを検討しなければならない」と話した。

基本的には、新たな情報技術を活用し▽多様なデータから個々のニーズや動向をきめ細やかに分析する▽顧客が必要とする情報を提供する――とし、MRだけでなく、マーケティング、メディカルからも含めて、それぞれの役割に応じた情報を最適なツールやチャネルで提供できるよう検討を進めているとした。

MR活動の重要性にも触れ、特に安全性情報に関する活動については「強力にやっていく。スケールダウンするつもりはない」と述べた。なお、同社は17年に希望退職者募集を行ったが、当日は18年4月時点のMR数は開示しなかった。同社長は希望退職者募集について、政府の薬価制度改革のみならず、プライマリーケアからがんなどスペシャリティケアへのポートフォリオの変化など将来に備えた対応であると説明した。

新薬創出等加算見直し日本への投資判断に影響するおそれ

同社長は、2018年度薬価制度改革にも触れ、新薬創出等加算の対象が絞り込まれたことで、日本政府が今まで取り組んできたイノベーション評価の推進策に悪影響があり、「将来的にドラッグラグを引き起こされることを懸念している」と述べた。「日本市場への製品投入の優先度、投資判断にも影響するのではないか」と、今後の懸念材料を挙げた。

17年国内売上は15%増18年は10以上の国内承認申請を予定

MSDが同日に発表した2017年業績は、抗がん剤キイトルーダ、C型肝炎治療薬エレルサ/グラジナが原動力となり国内売上高は約3587億円、16年と比べて15%増だった(薬価ベース)。18年見通しは開示していないが、白沢博満副社長執行役員・グローバル研究開発本部長(右写真)は、会見で新薬や適応追加で10以上の国内申請を行う予定であることを明らかにした。具体的な品目は開示していない。フェーズ3にはキイトルーダだけで食道がん、胃がん、頭頚部がん、肝細胞がん、腎細胞がん、小細胞胃がん、乳がん、大腸がんがある。

他方、キイトルーダは、18年度薬価改定で「用法・用量変化再算定」の適用を受け約11%の薬価引き下げとなる。適応拡大を進める同剤への影響について白沢氏は「一つ一つ(の適応)が新しい薬剤を開発するに等しい。治験や市販後には非常にお金がかかる。患者さんのために新たな適応を出す投資に対し、ペナルティを受けるのは誰もハッピーな状況ではない」と、適応拡大を阻害しかねないとの認識を示した。そのうえで同氏は「正しい姿(評価)を議論する良いタイミングではないか」と述べた。



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