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社保審・医療保険部会 18年度改定の方向性明示 糖尿病の重症化予防を推進
厚生労働省は9月6日の社会保障審議会医療保険部会に2018年度診療報酬改定の基本的視点と具体的方向性を示した。2025年に到来する超高齢社会と、その後に訪れる生産年齢人口の減少が社会的な課題となる中で、18年度改定は25年に向けて節目の改定となる。18年度改定では、地域包括ケアシステム構築に向けて、急性期病床から回復期病床への機能転換などを診療報酬点数で評価するほか、病院・診療所・保険薬局の多職種連携の推進をうながす。また、糖尿病などの重症化予防に向けた取り組みを推進する方向性も示した。医師の負担軽減の観点から、医療ICTを活用した遠隔診療の実現も盛り込んだ。

超高齢社会に備えて、医療や介護の連携・充実が求められる中で、改定の基本方針では、地域包括ケアシステム構築に向けて、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師・薬局を診療報酬上で評価することや、在宅医療、訪問看護の確保などを項目にあげた。一方で、高齢化や技術革新などで医療費が伸長する中で、医療費の適正化・効率化を高めることで、医療のサステナビリティ(持続可能性)を高める。適正化の項目としては、薬価制度の抜本改革の推進や、後発医薬品80%目標が示される中での後発医薬品の使用促進、残薬や重複投与、不適切な多剤併用(ポリファーマシー)などを減らす取り組みなどを列挙した。

薬価制度の抜本改革では、“長期収載品ビジネスモデルからの脱却”を掲げており、長期収載品や後発医薬品については、薬価上の評価についても鋭い切込みが行われる可能性が高い。一方で、イノベーションや医療技術の適切な評価を行うことで、日本発の革新的新薬の創出をうながす。ただ、費用対効果評価を行うことで、真に価値のある医薬品を評価する考え。

また、看護配置7対1に代表されるような、急性期病床が過剰であることも指摘される中で、DPCデータなどを活用し、医療従事者の行動変容を促し、適正化を進める。

重複投与や残薬、ポリファーマシーなどが課題となる中で、服薬の一元的・継続的な管理を担う“かかりつけ薬剤師”を診療報酬上でも評価する一方で、ひとつの医療機関の処方箋を集中的に受ける、いわゆる門前・門内薬局の評価を引き下げる考えを示した。

一方で、超高齢社会の到来する中で、重症化予防の取り組みについても、診療報酬上で評価する。糖尿病などの生活習慣病について透析への進展や脳梗塞・心筋梗塞の発症抑制に向けた取り組みを推進する。“人生100年時代”とも言われる超高齢社会が到来することで、疾患や重症化を未然に防ぐことで、健康寿命を延伸し、高齢者が地域で生活する姿を描く。

◎遠隔診療活用で医師の負担軽減も
医師・看護師不足や医師の高齢化の波が医療現場に押し寄せる中で、医師の負担軽減、働き方改革の視点も重要になる。医療ICTを活用した遠隔診療の実現や、医師でなくてもできる行為についてのタスクシフティング、タスクシェアリングを行うことや、勤務状況の改善、業務効率化・合理化などを盛り込んだ。

この日の社保審では、日本医師会の松原謙二副会長は、対面診療の原則を指摘した上で、「遠隔診療の定義をはっきりしていただい」と述べた。日本薬剤師会の森昌平副会長は、門内薬局について、かかりつけ薬局を推進する流れと「真逆の動き」とした上で、「かかりつけの機能を果たせるとは思わない。それに見合った評価、適正化をすべきだ」と述べた。

そのほか、日本経済団体連合会(経団連)社会保障委員会の望月篤医療・介護改革部長は、医療費の適正化項目として、“生活習慣病治療薬の処方の在り方”についてガイドラインが策定することなどが骨太方針に盛り込まれていることに触れ、「経団連としては、医療給付の適正化・効率化の観点から極めて重要だと考えている。積極的な議論をお願いしたい」と述べた。

◎18年度社会保障費の伸びは1300億円の圧縮

今後は、社保審医療保険部会、医療部会が12月に「改定の基本方針」を策定。改定項目は中医協で集中的に議論し、年末の予算編成過程で改定率を決定することになる。厚生労働省は2018年度の概算要求で、高齢化に伴う増加額と6300億円と見込んだ。政府がプライマリーバランスの黒字化を掲げる中で、集中改革期間に位置付けられる18年度は昨年度と同様に、社会保障費の伸びを年間5000億円までに抑制することが求められており、1300億円の圧縮が必要になる。健康保険組合連合会の白川修二副会長が、「医療保険制度の改革、診療報酬介護報酬の改定で1300億円を抑制する工夫をしてほしい」と釘をさす一幕もあった。




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